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最新の導入事例や取り組みをご紹介します。

メガスターとの連動デモンストレーション

2008.12.10

12月8日、坂戸児童センターにて第6回デジタルプラネタリウムワークショップを開催いたしました。今回の見所は「オープンアーキテクチャプラネタリウム」、大平技研の メガスターII-B とアストロアーツの StellaDome Pro、オリハルコンテクノロジーズの Quadratura による統合システムのデモンストレーションでした。プラネタリウム解説の達人である宗像ユリックスプラネタリウムの小野田さんによる生解説のもと、各社最新鋭のシステムが完全に連動して、冬の星空と金星にまつわるお話を演出しました。

デジタルワークショップの発足当時から一貫したメッセージの一つとして、「プラネタリウムのシステムはオープンであるべき」という主張がありました。ドームスクリーンに映像をマッピングする「スライス」、光学式プラネタリウムの制御プロトコルは、これまで各メーカーごとのブラックボックス化された技術であることが多く、このために番組やソフトウェアの互換性や流通性が損なわれていました。しかしプラネタリウムがデジタルに変わりつつあるいま、ハードウェアもソフトウェアも仕様が共通化されることによって、ユーザが自分の欲しいシステムを自由に選んで組み合わせ、好きな番組を自由に上映できるようになるべきであると考えます。

メガスターが搭載するオートジオメトリ(自動補正機能)によって、ほんの数日前に運び込まれたメガスターが瞬時に(正確には、みなで食事に行っている合間に)自分とドームとの位置関係を正確に計測したマッピング情報を生成しました。このマッピング情報の仕様が公開されていることで、StellaDome Pro がメガスターの精細な星に星座線や多彩な天文現象の映像を重ね、Quadratura が全天を縦横無尽に活用したプレゼンテーションを可能にしました。各社とも自ら全てを作り上げてきた自負を持つエンジニアですので、仕様を確認したあとは寸前の数日の作業だけで完全な連動を実現してみせました。今回はデモしませんでしたが、すでに同じ仕様で Mitaka Pro も Uniview も組み合わせられることを確認しています。これこそが、ずっと訴えてきた「オープンなシステム」の成果です。この新しい潮流が、さらに力強く広がっていくことに期待しています。